研修報告

5月21日 TKC全国会資産対策研究会

 本年度の研修テーマは「事業承継税制」です。平成30年税制改正で、特例事業承継税制が始まったばかりで、タイムリーな研修となりました。今回は特に贈与税の納税猶予について、一般事業承継税制と特例事業承継税制との取扱いの違いについて勉強しました。研修を受けながら、これを一般のお客様にわかりやすく説明するのはどう話したらいいだろうか、と考えています。
 まずは、会社が承継計画を作成して都道府県に認定申請書を提出するところから始めなければなりません。承継計画の最終締め切りは平成35年3月31日です。その計画を提出し認定を受けた後で平成39年12月31日までに事業承継が行われた場合にこの特例の納税猶予が受けられるというもの。そうすれば、その後の相続であっても、この特例に対応した相続税の納税猶予が受けられるのです。
 計画を作成するために、現経営者とじっくり今後のことを話しあって、未来が描けたらいいですね。そこからじっくりお手伝いしたいです。

4月24日 東海税理士協同組合

 熊王征秀先生を講師にお迎えして消費税法の研修がありました。今回のテーマは「軽減税率と日本型インボイス制度」でした。来年10月1日には消費税率が現行8%から10%へ上がること、その際には一部8%の軽減税率が適用されることは、ほぼ間違いありません。むしろ、2回も消費税率の改正が延期されたことで、2020年にはプライマリーバランス0という日本の世界へのお約束は遠のくばかりです。税理士会は軽減税率の適用の導入に反対していますが、税理士としては決まったことには対応していかなければなりません。
 そのためには、軽減税率適用によってもたらされる現場での対応はどうしたらいいのか、関与先の業態に応じて考えていかなければならない時期にきていることを実感しました。
 来年10月から始まる「区分記載請求書等保存方式」そして、5年後の適格請求書等保存方式(インボイス制度)、そのためには平成33年10月1日以降に適格請求書発行事業者の登録を行わなければなりません。それによって請求書の形式はどう変わるのか、適格請求書の形式を想定して今から請求書の見直しも必要です。また、小規模事業者においては、消費税の課税事業者を選択しなければならないところもあるでしょう。簡易課税を選択しているところは、それが本当に良い選択なのかも考えなければならないところもあるでしょう。こうした様々なことを関与先に伝えていかなければならないと思います。
 今の日本の税制において、消費税ほど政策に翻弄されている税もないと思います。それだけ、毎日発生する身近な税だということでしょう。1年半後を最終期限として、今から早速準備に入りたいです。

4月16日 TKC中部会リスクマネジメント委員会

 NPO法人リスク・エイド副代表理事兼事務局長 伊集院剛史氏を講師としたリスクマネジメント研修でした。リスクマネジメントとは損害保険加入というわけではないと思うし、東日本大震災後よく聞くようになったBCP計画など必要だとは思うがどうしたらいいかわからない、というのが私の実情で、なんとなく不安感だけがあるというのが実情でした。
 今回の研修を受講して、まずは私の事務所のリスクの洗い出しから始めなければと思った研修でした。これからたくさん勉強しなければならないな、と思って帰路につきました。

3月22日 TKC生涯研修

 今回は弁護士の内田久美子氏に、民法改正のポイントについて、講義していただきました。今回の民法改正は債権関係の120年ぶり抜本改正と言われており、中小企業にもかかわってくることがたくさんあります。内田先生の民法改正についての講義は昨年4月に東海税理士会研修としても受講しました(そのときはこうなるはずというお話しでした。)が、昨年5月に成立し、6月に公布され、2020年4月1日には施行されることが決まった法律です。今回の改正は、「社会・経済の変化への対応を図り、国民一般にわかりやすいものとするために行われる。」ものだと言われています。民法制定時には想定できなかった事態において、争われている内容を公平に解決するために、裁判においては行われてきたことが明文化されているものも多くあるようです。常識が覆されるというものはないように思います。
 しかし、3月の国会審議を経て改正された相続法については、直接税法とかかわってくるものもあり、要注意です。配偶者の居住権の考え方など、民法で定めなければならない世の中のほうが情けない気もします。円満な相続を願いつつ勉強を続けたいです。

3月19日 TKC資産対策研究会

 今年度(平成29年11月平成30年10月)のテーマは「事業承継税制と贈与税・相続税の納税猶予特例」です。年間6回のコースで、ぎょうせい刊『Q&A事業承継税制徹底活用マニュアル』(今仲清著)のテキストを中心に学ぶことになっています。そして、平成30年税制改正において新たに特別法による事業承継税制もできました。当日は、平成30年税制改正大綱(平成29年12月22日閣議決定)を基に、現在学んでいる承継税制(租税時別措置法70の7、70の7の2)と今回の税制改正による特別法(租税特別措置法70の7の5、70の7の6)との比較をして違いを確認しました。
 今回の特別法は平成30年1月1日から平成39年12月31日までの10年間の特例ではありますが、代表者が代替わりを検討すべき年齢に達している中小企業にとっては朗報であり、事業承継を前向きに検討する良い機会でもあります。
 後継代表者が3名までよいとか、親族外承継にも相続時精算課税制度を使えるとか、問題の先送りとしか思えないような事項もありますが、平成35年3月31日までに会社が特例承継計画の策定をし、都道府県の認定を受けることが前提となっており、会社の今後の経営を考える良い機会として、関与先への案内と活用の検討を進めたいと思います。

2月14日 TKC租税判例研究会

  確定申告期直前の研修でしたが、同志社大学法学部教授の田中治先生の指導のもと、判例2題の研究をしました。第1の事案「外国親会社によるアワード付与利益に係る源泉徴収義務」(東京高裁平成27年12月2日判決)と第2の事案「固定資産税における介護付有料老人ホーム等の付属駐車場の住宅用地該当性」(東京高裁平成29年8月24日判決)でした。
 私としては、第2の事案のほうに興味がありました。東京都税事務所の条文の解釈に反対して、納税者が訴えを提起しました。最初の課税通知書に疑問を持ったことが出発です。地方税法を丁寧に読めば、裁判所の判断のようになると思われ、東京都の解釈には無理があると思われます。
 実務においては、新しい不動産であれば評価額の妥当性を検討すべきであるし、従来から賦課されていた固定資産税であっても、その根拠に関心を持って、課税通知書を検討すべきであると感じました。

1月26日 TKC中部会 新年互礼会 特別講演会

 講師に株式会社マザーハウス代表兼チーフデザイナーの山口絵里子氏をお招きして「一歩踏み出す勇気~途上国から世界に通用するブランドを作る~」というテーマでお話しいただきました。
 私は、山口絵里子さんの著書『裸でも生きる 25歳女性起業家の号泣戦記』『裸でも生きる2 Keep Walking 私は歩き続ける』『自分思考』の3書籍を読んで、当日お話しが聞けるのをとても楽しみにしていました。本当に過酷な環境で、途上国の人たちと対等な関係で、「日本で通用するブランドを作る」を貫けているのか?投げ出したくなるような目にいっぱい出会う、まさに号泣戦記である著書から受ける印象と違って、困難を飄々と乗り越えて生きているという印象の女性でした。「どうしてあんな危険な国々へ一人で行けるの?」って不思議に思うほど華奢な女性でした。でも内なる闘志は相当のもの。人を見かけで判断してはいけないです。
 印象的だったことは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」ということがこの事業を始めるミッションだったわけですが、それを会社のphilosophyとして掲げていたことです。会社の経営にはトップが哲学、ミッションを持つことが重要だと話してみえました。そして、それを全てのスタッフに浸透させていくことを大切にして、その上で、それが自分自身の判断基準として生きていて、迷った時の自分の判断の軸となっている、まさに「生きている経営理念」と感じました。会社を大きくしたいのではなくて、経営理念の具現化のために活動していたら会社が大きくなってきた、という感じです。バングラディッシュ、ネパール、インドネシア、セイロンと生産地は広がり、今はインドを開拓中とのこと。お店は台湾、香港に広がっています。1年のうち8か月くらいは海外の生産現場で、4か月くらいが日本だとか。12年間で1人から350人の会社へ。だから、5年後、10年後の自分の姿、会社の姿を想像できないと話してみえましたが、自分を必要としていることとの出会いによって未来は広がっていくということでしょう。「自分で決めたことだから、なげだせない」「人からの評価ではなく、自分が納得しているかが大切」「働くことが喜びになるってどういうことか?」「生きるってどういうことか?」と問い続けながら生きているその姿が一緒に働く人たちに浸透して発展していくのだと感じました。新しい経営者の姿を見た気持ちがしました。

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